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日本聴覚医学会理事長挨拶

小寺理事長写真_13kb

理事長 小寺一興

  日本聴覚医学会は聴覚ならびにその障害に関する研究の進歩と発展を図ることを目的として事業を行っています。主な事業は学術講演会の開催、会誌の発行、講習会の実施であり、その他聴覚ならびにその障害に対する研究、調査、知識の普及を行っています。会員は目的に賛同する医師、研究者、個人、団体で構成され、会員数は正会員、準会員、賛助会員をあわせて約2800です。

  日本聴覚医学会における研究の対象は、聴覚に関する構造(解剖・組織)と機能(生理)、難聴の病理と病態生理、難聴の予防と聴覚保護、難聴疾患の診断と治療および障害の解明、聴覚障害に対するリハビリテーション手段の開発と効果の評価、聴覚障害による社会的不利の解明と福祉への貢献まで広い領域にわたります。
   最近会員が力を注いでいる研究には以下のものがあります。疾患に関しては突発性難聴などの感音難聴の治療、耳鳴のTRT、遺伝性難聴の遺伝子異常と症状、中枢性難聴の病態などがあり、検査法に関しては聴性定常反応や耳音響放射などの他覚的聴力検査、語音聴力検査、脳磁図などがあり、幼小児難聴については新生児聴覚スクリーニング後の精密聴力検査とリハビリテーション、人工内耳の効果などがあり、聴覚リハビリテーションに関してはデジタル補聴器の効果などがあります。また、基礎的研究については、動物実験による内耳機能、内耳障害に対する薬剤の効果、内耳への遺伝子導入などがあります。それぞれの研究は新しい技術や着眼点の導入によって進歩しています。また、まったく新しい研究の萌芽も認められます。

   社会からの日本聴覚医学会への期待に視点を転じますと、耳鼻咽喉科診療を受けるに至らない分野における聴覚の保護、聴覚リハビリテーション、聴覚障害者のノーマライゼーションなどにたいして、求められた場合には学術的に適正な見解を表明することで社会に貢献することが期待されていると考えています。日本耳鼻咽喉科学会に提言し、また諮問に答えるなどの形で社会的役割を果たしていきたいと考えます。具体的には、聴覚の保護についての音響機器や娯楽施設における強大音や職場騒音環境、補聴器の適正な流通、公共施設での聴覚障害者への配慮や高度難聴者の運転免許証取得などが検討課題になる可能性があります。

  平成18年9月の理事会で市川銀一郎前理事長の後任として理事長に選出されました。日本聴覚医学会の発展と、目標とする聴覚および難聴疾患の研究、疾患の治療と障害へのリハビリテーションの研究、聴覚障害による社会的不利の改善に向けて理事の方々と協力して任務に積極的に取り組んでまいります。皆様のご支援をお願いいたします。


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